アジア探偵団 (ミャンマー)

東南アジア全般のIT情報を追っかけています。(主にミャンマー)

2014年11月



Tencentの2014年第三四半期の財務報告をしましたがアナリストの予測通りにモバイルゲームの売上が26億人民元(419億円)となり前四半期よりも減少しました。Tencentはリリースの遅れが原因だとしています。

中国に限らずアジアではPC向けゲームの人気が高いです。9月時点の中国で人気のPCゲームの4つはWorld of Warcraftは10年、CrossFireは7年、 Dungeon & Fighterは9年、League of Legendsisは3年とどれも長い間人気です。トップテンには新しいゲームもいくつか見受けられますが人気のゲームはほとんど変わりません。実際にトップスリーはこの数年間ずっと固定されています。

Tencentは簡単に現金化できていますが、開発はしていません。そして、Tencentは上位4つのうち3つを提供しているので海外のゲームを導入するだけで多数のユーザーがいるので毎月安定した収入が得られます。中国のPCゲーマーは一度気に入ったゲームをやりこむ傾向が高いです。ですからDungeon & Fighterは中国で何年もプレイされていますが誰も飽きることはありません。

問題はPCのゲームは長い間プレイされていますが、モバイルのゲームは数ヶ月しかインストールされていません。モバイルゲームを熱心にプレイするゲーマーでもPCゲームとは違いいろいろなゲームに手を出してひとつのゲームを長く遊ぶことはありません。

Tencentのようなゲームの提供者はモバイルゲームでの現金化は難しくなります。モバイルで利益を上げているゲームはほとんどありません。ですので宣伝をしたりいろいろなゲームを提供したりで手間がかかります。しかし、もし人気になっても数ヶ月もすると他のゲームに移ってしまうので現金化にはほど遠いです。モバイルゲームはどちらかというと暇つぶしとしての性格が高いのでますます現金化は遠のくことになります。

Tencentはモバイルゲーム市場の減速を戦略の転換によるもの(売上の追及よりもユーザー体験の追及を重視へ)としています。

そして、別記事になりますがガンホーが中国企業に出資しパズドラで殴り込みをかけます。



ベトナムも通信会社の収入が減少しているようです。情報通信省によると2013年のベトナム通信市場全体の売上高は74億ドル(約8552億円)で前年比10億ドルの減少でした。過去最高の2010年に比べると20億ドルの減少となります。

その中でも携帯通信サービス分野の売上高は前年比14億ドルマイナスの51億ドルでした。2013年末時点の携帯電話加入者数は総人口の約9000万を上回る1億2370万人で前年末から約800万人減少しましたが、3Gは1970万人と約400万人の増加となっています。

各キャリアのシェアは、ベトテルが43.5%で首位、モビフォンが32.0%で2位、ビナフォンが17.5%で3位でした。

一方、スマートフォンの普及により2013年のインターネット利用者数は3320万人と前年に比べ190万人の増加となりました。この数字は

まだ増えると見込まれています。そして、ブロードバンド契約者数は2240万人と約220万人増加しました。

加入者減以外の原因としてはチャットアプリの普及が考えられます。ベトナム語しか対応しないVNGのチャットアプリZalo(ザロ)の登録ユーザー数は今年7月に1500万に到達し、楽天のViberも3月に登録会員数が1200万と首位争いをしています。

このキャリアに対する脅威であるチャットアプリを排除しようとする動きがあるようで、情報通信省はチャットアプリへの妨害行為を禁止することを検討していて、現在、各方面からの意見を集めているということです。

一方で、チャットアプリ提供者については有料の場合、ライセンスを必要とし利用者が100万人以上の場合には1つ以上のホストサーバーをベトナム国内に置くことを義務付けるとしています。海外のチャットアプリ提供者がベトナム国内にサーバーを置く場合、ベトナムのキャリアと契約することが必須になるとされています。



ベトナム国内の自動車産業が需要を満たせない上に低価格を武器とした中国製の車、特にトラックがベトナム市場になだれ込んでいます。

これを裏付けるように税関のデータではベトナムの車の輸入は台数、金額ともに10月までで大幅な増加を記録しています。

東南アジア全体で10月には車を51600台輸入していて前年比79%増、額では 96%増で11.4億ドルとなっています。

中国からベトナムへ輸入された車は9月が8400台に達し前年比で203%の増加、10月は9650台となり205%増と税関が発表しました。

ベトナムの自動車輸入業者は国内の供給不足もあり輸入は大幅な増加を示すと見ています。加えて中国の車両はアセアンやヨーロッパのものに比べるとだいぶ安価になっています。

車の販売業者は今年の頭には1ヶ月に2台しか売れなかったのが10月だけで15トントラックが4台も売れたとのべています。そのうちの3台は中国製でした。

そして今から年末にかけては新年に向けて運ぶべき品物が増えるのでトラックはもっと売れるとみています。

自動車メーカーは需要に供給が追いつかないので今注文しても4ヶ月待ちだと語っています。

ベトナムでのトラックの需要はこの数ヶ月で急増しました、その急増した需要に対応するため中国製トラックを輸入してきました。

運輸省は過積載トラックに対する取り締まりに熱心なので新しいトラックに頼らざるおえないと運送会社はのべています。

30トンのコンテナトラックは設計限界の50トンの荷物を載せています。過積載で高額の罰金と罰則があるにも関わらずです。

運送会社は注文を捌くにはもっとトラックを買わないと間にあわないとのべています。

過積載のトラックは最高で800万ドン(約45000円)の罰金を科せられドライバは免許を3ヶ月停止されます。しかし判決が有効になるのは来年だと政府が語っているようです。

トラックを国内の販売業者から手に入れるのには数ヶ月かかります。ただし中国製は30%ほど安く購入できます。

日本や韓国製のトラックは18億ドン(約1千万円弱)以上するのに対して同じようなスペックの中国製トラックは11億ドン(約610万円)で手に入れられるといいます。値段が安いということは中国製は日本や韓国製より早く投資を回収できるということになると会社はのべています。中国製であれば5年で投資を回収できるのに対して日本や韓国製は8年かかるとかたっています。

しかし、中国製トラックは電気系統が壊れやすくエンジンも日本や韓国製と比べると劣っているとのべています。



ミャンマーの上位2社がインターネット接続の帯域確保のために、光ファイバーの申込受付を停止しています。

どちらも国営のMyanma Posts and Telecommunications (MPT)とYatanarpon Teleport (YTP)はインターネット接続帯域の拡大に取り組んでいます – インターネット接続速度を改善する作業中ですが、新規のユーザーは光ファイバーの申込ができません。

YTPは情報通信省からインターネット接続の帯域を拡大する許可を得ています。そして、同時にKDDIの代表を含むMPTの経営陣とこの課題について話し合っているとYTPはのべています。

YTPはMPTから帯域を間借りしているのでMPTの作業の進捗に依存してきます。投資はできるのに帯域を確保できないので増設ができません。

しかし、その速度改善は滞っています。ユーザーへの引き渡しはサービスに必要な帯域を確保してから2週間後となっています。

MPTも光ファイバーの申込を中断していると認めました。

MPTはインターネット接続速度の改善に取り組んでいるとかたっています。帯域の拡大と速度の改善を行い、速度は以前よりも少しだけ速くなったとのべています。

MPTの現在の計画では帯域を4GBから10GBへ拡大しますが、これからも帯域の拡大は継続されます。



ロイター通信によると、タイの通信規制当局者はクーデターによって延期されていた携帯電話の4G LTEサービスの免許入札を2015年9月までに実施すると明らかにしたそうです。入札が行われるのは正確には2015年8月から9月の間ということです。

クーデター前に設定された条件に対する変更はなく、これを待っていた業界最大手AISがようやく4Gサービスの開始が可能になります。

入札により、429億バーツ(13億1000万ドル)以上が国庫に入ると予想されています。

バンコクポストのテクノロジーセクションには掲載がありませんでした。

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